
2025年2月26日、「越境社員ドットコム」と「TeamPlace」、「エコッツェリア協会」が共同で企画・運営するコミュニティイベントが開催されました。本イベントは、大都市と地方の連携や地域間の交流をテーマに、毎回異なるテーマで事例共有や意見交換を行う場です。
今回で第6回目を迎え、初の夜間開催および交流会付きのイベントとなりました。大都市・地方問わず、週4勤務や週1複業といった新しい働き方に興味のある個人や法人、自治体関係者が集まり、活発な意見交換が行われました。

最初の登壇者は、出光興産株式会社の人事部に所属する岡﨑宏さん(61歳)。
岡﨑さんは2023年4月より、山口県の長門湯本温泉町に週1回のペースで出向し、リモートワークと現地出張を組み合わせたハイブリッドな働き方を実践しています。
長門湯本温泉は、2017年にまちづくり計画が進められ、星野リゾートが進出することで街全体の雰囲気が大きく変わった地域です。
岡﨑さんはこの地で、データ分析を活用した駐車場の管理や温泉施設の強み・課題の可視化、閑散期対策の提案などに携わり、街の発展に貢献しています。
元々データ分析の経験がなかったものの、勉強しながら取り組むことで、新たなスキルを身につける機会となったと語ります。
また、大企業にいると成果が見えづらい場面が多い一方で、小さな組織では自分の仕事が直接的に評価されるため、モチベーションの向上につながったと述べました。
「街のマーケティング施策が評価委員会で認められたときはとても嬉しかった」と振り返り、これまでとは異なる環境での挑戦が、キャリアの選択肢を広げる契機になったと語りました。
一方で、企業文化や用語の違いに戸惑うこともあったといいます。しかし、新たな環境に飛び込むことで、従来の考え方や仕事の先入観が覆される経験をし、仕事に対する向き合い方が大きく変わったとのこと。
「たまには足湯に浸かりながら仕事をする、そんな経験ができるのも、この働き方の醍醐味です」と、越境することの魅力を強調しました。

次に登壇したのは、合同会社うさぎ企画の代表である森田創さん。
同社は「人づくり」「場づくり」「足づくり」をコンセプトに、地方活性化を推進するユニークな企業です。森田さんは、地方企業と複業人材のマッチング事業を展開し、最近では大企業社員向けのリスキリングスクールも開講するなど、多方面で活躍しています。
今回の講演では、静岡県三島市における三島信用金庫との取り組みを中心に、副業人材の活用事例が紹介されました。
三島は東京からわずか40分でアクセス可能な立地にあり、副業に適した環境が整っています。
しかし、地方企業側が自社の課題を適切に言語化できず、副業人材を受け入れにくい状況があることも指摘されました。そのため、同社では企業の課題を整理するワークショップを実施し、受け入れ体制の整備を支援しているとのことです。
また、森田さんは「何をスキルとするかは相手によって異なる」と語り、資格の有無よりもこれまでの経験の棚卸しが重要であると強調しました。
地方企業では、都市部では当たり前の業務経験が非常に重宝されることが多く、特にデジタル化の遅れが顕著であるため、ITスキルを持つ人材の需要が高まっていると述べました。
副業人材と変革を求める地方企業の経営者が交わることで、新たな価値創出が生まれる可能性があると期待されています。
イベントの最後には、軽食を楽しみながらの交流会が行われました。登壇者の話を受けて、自身の働き方について意見を交わす場面や、参加者同士が経験を共有し合う様子が見られました。企業の人事担当者や複業に関心のあるビジネスパーソン、地方創生に携わる方々が集まり、それぞれの視点から新しい働き方の可能性について熱く語り合いました。

今回のイベントでは、越境社員のリアルな体験談が共有され、新しい働き方に対する理解が深まりました。週4勤務と週1複業の相乗効果、地方でのスキル活用の可能性、企業文化の違いによる学びなど、越境社員ならではの魅力と課題が浮き彫りとなりました。
今後も「越境社員ドットコム」では、大都市と地方の連携をテーマにしたイベントを定期的に開催し、新しい働き方を模索する場を提供していきます。
自社の社員を越境させたい企業様